Le monde d'Aquira
「少年」
蝶の羽に鋏を入れる
刃(やいば)のかかる瞬間
羽は
命あるものとないものとに区別される
もういちど鋏を入れる
生と死の境界線がキレイに引かれる
そこには何の理屈も、感傷もない
暁が夜と朝を分けたがえるのとは勝手が違うのだ
ひと断ち、またひと断ち・・・
すべてをたった一つの答えにかえてしまう鋏の仕組み
少年はただその不思議に魅せられて
夢中になって鋏を入れた
蝶が世界を知るために
唯一の居場所を知り得るために与えられた
かけがえのない命が切り刻まれていることも知らないで
少年のこころは無邪気にすぎたのかもしれない
無数に散らばった羽の残骸と
もはや飛ぶことのかなわぬ
棒切れのように打ち捨てられた胴体
あたりは
廃墟のような静寂に包まれ
少年は、手指にこびりついた白い鱗粉に
いままで生きていたのものの叫びを
その重さを、聞いた
海の向こうでは、いまだに戦争が続いている
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